ターミナルケアという新しい概念

いま注目されているターミナルケアを知っておきましょう!
日本のターミナルケアを考える

新しい概念と文化的背景

歴史が浅いターミナルケアですので、その概念にはまだ様々な問題を生んでいます。どうしても後ろ向きに捉えがちなのが、ターミナルケアの現状でもあります。ここでは、その問題点をいくつか紹介します。

新しい概念と文化的背景
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患者と家族の意見相違

ターミナルケアの原則として、患者自身に意識があり、意思伝達を行うことができるのであれば患者の意思が尊重されます。しかし、患者の意識がなくなっている場合だと、その家族の判断を貰う事になります。この場合、家族としては厳しい判断を求められます。もし、自分が末期がんの患者の家族として、通常の治療をやめてターミナルケアに移して欲しいと判断してしまったら、自分が殺してしまったと思ってしまうかもしれません。理性的に死を想像していても、死というもの自体が根本的にネガティブな存在である以上、このように思ってしまうことは仕方がないことなのです。その為、本当は苦しまないで死なせてあげたいと思っていても、自分の為にターミナルケアへの移行を踏み切れないこともあるのです。それが患者となった大切な家族にとって本当に幸せなのかどうか、常にその重い責任を感じることになります。
このような問題が発生してしまう理由のひとつは普段から死に関する話題を避けてしまっているからではないでしょうか。自分や家族の死の話はできればしたくないものです。しかし、元気なうちに死に対してもっと話しておけば良かったと考える場面がくるかも知れません。その為にも、家族を置いて先に自分が死んでしまうかも分からないと感じた時、どの様な最期が納得できるのか話し合う事は必要かと思います。

患者と家族の意見相違

文化的背景の問題

自分や家族の中で最期の迎え方が決まったとしても、まだターミナルケアには問題が残っています。具体的な事例で紹介しますと、まず、文化的背景による問題点です。これは、宗教観、又は死生観といっても良いでしょう。文化的に見て、ターミナルケアというものをどう捉えるかが大きな影響を与えるのです。例えば、自分と家族の間では、最期の際はターミナルケアに移行すると同意が取れていたとします。しかし、それでも終末期医療に切り替える時が訪れると、親族や知り合い、あるいは知人から最後まで治療しないなんて薄情な人だと思われてしまう事があるかも知れません。要するに、人それぞれの価値観を統一する事ができない事が終末期医療を難しくしているポイントになるのです。

文化的背景の問題

基準が整備されていない

ターミナルケアの考え方はまだ新しいものであり、それに対して法的な整備などが行われていないのが現状です。実際、平成16年に終末期医療のあり方について調査が行なわれましたが、ターミナルケアは医療現場で大きな悩みとして抱えている、ということが報告されています。その後、平成19年に終末期医療の決定プロセスに関するガイドラインが発表され、ようやく国として初めてターミナルケアというものについて触れたという段階にきました。しかし、いまだ安楽死や尊厳死に対する法整備、議論はまだ深くなっていませんし、軽々と決めていける問題でもありません。この様に、ターミナルケアにはまだまだ問題は残ります。それでも、最期はターミナルケアを選択するかどうか、考えておくことは決して無駄ではありません。

基準が整備されていない

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